痛み・麻酔の院内セミナーを実施しました。2017年2月

こんにちは。

京都市北区にある動物病院 京都 獣医師の坂口邦彦です。

当院は、京都市北区、右京区、上京区の区境の西大路通り沿いにあります。
先日の大寒波の際には、京都駅の方では、そんなに積もっていなかったのですが、当院に近づいていく、下京区、中京区、上京区とあがっていくうちに、どんどん積もっている雪の量が多くなっていき、緩やかな登りでも、ここまで関係があるのだなあと感心してしまいました。

さて、先日、獣医の麻酔専門医の長濱正太郎先生をお招きし、院内において、動物の手術時の痛みをより少なくして、ストレスをなくしてあげたり、より良くまたより安全な麻酔を実施できるようにするためのポイントなどを教えていただきました。

当院では、獣医療の中でも、最良のドレーゲル社の麻酔機を使用することで、より安全に麻酔中の呼吸管理を行っています。

手術では痛みが伴います。獣医療においても一昔前、手術後は多少痛みがあるほうが安静に出来るから、などと考えられることもありました。いまではそんな考えをすることはありません。

確かに犬や猫は人間よりある程度は痛みに強いかもしれませんが、決して痛みを感じないわけではなく、本能的に痛みを感じていることを隠そうとして我慢しているため、痛みが人間に伝わりにくいだけです。そして、痛みを感じることで様々な問題が出てきます。

元気食欲の低下が起きる。
痛みによるストレスにより内因性のステロイドが過剰に分泌されて免疫力低下が起きる。
呼吸が早くなるせいで、肺活量が下がり呼吸器系への悪影響が起こる。
血圧が上昇し、心臓の負担が増える。
傷の直りが悪くなる。

などなど、回復を妨げる様々な悪影響につながります。
鎮痛剤を積極的に用いて、痛みを極力取り除いてあげることで、手術中の麻酔濃度を下げることができ、術中リスクを下げ、術後の合併症を予防したり、回復を早める効果につながります。

手術や外傷からの急性痛だけが痛みの原因に限りません。

日常生活から常に痛みを感じる慢性痛もあります。慢性痛としては加齢に伴って関節の変形が生じて起きる関節炎などがあります。

わんちゃんだと、
散歩に行きたがらなくなった
散歩中に下を向くことが多い、尾が下がっている
すぐに座り込む
元気がなさそうに見える

ねこちゃんだと、
触ろうとすると警戒したり、うなるようになった
爪が太くなってきた
遊ばなくなった、キャットタワーに登らなくなった
トイレの失敗が増えた

これ以外にも腫瘍末期の癌性疼痛では耐え難い痛みが襲います。
根本の病気の治療が難しかったとしても、鎮痛剤やサプリメントを使用していくことで痛みを緩和し、QOL(生活の質)をあげることに繋がります。
上記のような症状があるようなら来院していただき診察させて貰えればと思います。

痛みは非常につらいものです。動物は言葉が喋れないため、どれだけ痛いかを正確に分かってあげることは難しいですが、当院では動物の疼痛緩和に積極的に取り組んで行きたいと思います。

手術が痛そうで不安、うちの子がなにか痛そうで見ていられない、そのような悩みがありましたら一度ご来院して相談いただければと思います。