下痢のお話 2016年8月

こんにちは。
動物病院 京都 獣医師の吉田 昌平です。

暑い日が続いていますね。普段は冷房管理下の職場のため、たまに外に出るとめまいがしてしまいます。

動物たちも気温の変化に身体が耐えられず、体調を崩す子が多いです。

今回、その中でもよく起こる「下痢」についてお話したいと思います。
下痢には様々な原因がありますが、

・環境の変化(季節の変わり目、旅行に連れて行ったことによる疲れなど)
・食事の変更(ドライフードの変更、今までにあげたことのないおやつなど)

などでも下痢をしてしまうことがあります。

 

当院では、下痢している子のうんちの状態をチェックさせてもっています。

まずは、うんちの色、固さ、匂い、粘膜便や血便の有無などを確認し、顕微鏡を用いて、脂肪や炭水化物が消化されているかの確認、腸内細菌のバランス、寄生虫の虫卵などの検査を実施しています。

 

その後、顕微鏡でみれた写真を一緒に見てもらっています。その中の一部を紹介します。

コクシジウムという寄生虫です。特に保護猫や外飼いの猫に多いです。

やっかいなことにアルコールでも塩素消毒でも死滅しません。熱湯には弱いため、熱湯消毒でやっつけることになります。他にはオルソ剤という消毒剤もあるのですが、強い匂いがあるため、あまり使用しません。

右の写真は、ネコちゃんの糞便検査(検査料:800円)をした際に検出された、コクシジウムのオーシストです。

続いて、右の写真は、芽胞菌と呼ばれる腸内細菌で、健康な子にも少数みられますが、異常に数が多いときは、内服薬が必要なこともあります。

コクシジウム症の場合、治療が遅れると重症化することがあります。そのため早期発見、早期治療が必要です。
今回は幸い、早期の糞便検査により、重症化するまえにコクシジウム治療薬を使用することができたので、完治し元気になってくれました。コクシジウム症は環境中の浄化も大事なのでそういったご指導もさせていただきながらの治療でした。
芽胞菌に対しては、芽胞菌に効くお薬を使用し、また整腸剤も合わせて飲ませます。芽胞菌は正常な子にも認められる細菌です。そのため、芽胞菌が完全にみられなくなるまで投薬するというより、便がきれいになるまで飲ませて治療終了となりました。

下痢以外に、食欲不振、お腹を痛がる様子、吐き気がある場合などは追加で検査が必要な場合もあります。

単なる消化不良による場合もありますが、深刻な病気の可能性も考えられます。元気だったワンちゃんネコちゃんがぐったりしたり、下痢が続き、普段と違うウンチの臭いがしたり便に血が混じっていたりする場合は、早めに動物病院でチェックしましょう。

また、慢性的であったり、再発をしてしまったりなどがある場合は、状況によりレントゲン検査や血液検査、さらに超音波検査を実施しなければならない場合もありますので、お飼いの動物さんで気になることが御座いましたら、お伝えいただければ幸いです。

消化に優しいごはんに変えたりすることや、腸内細菌のバランスを整えてあげたりすることが下痢を長引かせないための重要なポイントでもありますので、注意しながら治療をしていってあげましょう!

動物病院 京都
獣医師 吉田昌平