短頭種のわんちゃん 鼻腔拡張術・軟口蓋切除術 2017年8月

こんにちは。
動物病院京都 獣医師 尾関 康江です。
当院は、京都市北区、右京区、上京区の区境の西大路通り沿いにあります。
夏休みも終わり、新学期が始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
朝晩と過ごしやすくなったので、夏が苦手な私は、少しほっとしています。

さて、今回は短頭種気道症候群といわれる、短頭種に多い病気についてお話します。短頭種といわれる犬種はマズルが短く、頭部に丸みのある、両眼の位置が離れているわんちゃんが含まれます。ブルドック、パグ、ボストンテリア、チワワが典型ですが、チンチラやマンチカンなどの猫さんも含まれます。

症状としては、いびきをかく、口開けて喉を鳴らしながら呼吸をする、運動した後に疲れやすい、失神するなどがあります。

身体の特徴として、
①鼻の穴が狭く、鼻で呼吸をするのが難しい。
体温が高い時に、舌を出して“ハァハァ”とパンティングすることで体温調整します。しかし、短頭種の子は鼻が短く口腔の面積が狭く、また鼻の穴が狭いため、慢性の呼吸困難になりやすいです。
②軟口蓋が長いために、がーがーといびきをかく。
軟口蓋とは喉の奥にある、食道と気管の入り口を必要に応じて蓋してくれるものです。短頭種の子では、このひだが長く、空気の流れを邪魔します。これにより息が吸いにくくなるので、がーがーといびきをかくようになります。いびきの程度は年齢とともに悪化していきます。パンティングがひどい際には、軟口蓋が腫れてしまい、喉が塞がってひどいと窒息してしまうことがあります。
③この他にも、喉頭小嚢の外反、喉頭虚脱など呼吸に関係する身体の部位に異常が出ます。

当院ではこういった呼吸困難の子に対して、鼻の穴を広げたり、長く伸びたひだ(軟口蓋)をきる手術を行っています。
以下の写真は、7月末に鼻腔拡張術という鼻の穴をひろげた手術の前後での写真です。

手術前



手術後



鼻の穴が広がったことで呼吸の通り道が確保され、呼吸が楽になり、ガーガーといった口を開けての呼吸も少なくなりました。

喉を開けると普通はこのように見えます。


でも、短頭種の子は軟口蓋(人でいうと喉ちんこ)が長く、空気の通り道を塞いでしまっています。



軟口蓋を切ることで喉が見え空気の通り道が確保されるようになりました。
お散歩の際など、がーがーというパンティングがひどくなる前にアイスロンや保冷剤を首に巻いて冷やしてあげて下さい。そうすることで喉が腫れるのを少しでも抑えることが出来ます。



普段の生活の中で、わんちゃんが呼吸がしづらそう、いびきをよくかくようになったとういことがあったらご相談下さい。

動物病院 京都
獣医師 尾関康江