なかなか治らない外耳炎について 2018年3月

こんにちは。
動物病院 京都 獣医師 尾関 康江です。
当院は、京都市北区、右京区、上京区の区境の西大路通り沿いにあります。
日中随分と気温が上がり温かくなりましたが、花粉や紫外線が気になる時期となり私の苦手な夏が待っています。

昨年夏に耳のトラブルと耳の内視鏡(オトスコープ)について紹介致しました。
今回はその内視鏡を用いて、耳の状態が良くなった子がいますので、その子の経過も含めてお話したいと思います。
わんちゃんの耳ですが、鼓膜までの通り道(外耳道)がヒトと違って垂直と水平耳道に分かれ、L字に曲がっています。そのため、シャンプーや水遊びなどで水が奥に入ってしまうとなかなか外に出てこないことがあります。
また、鼓膜を超えた奥は内耳道となります。

外耳炎はわんちゃん、ねこちゃんの耳のトラブルで多いものです。
その中でも点耳薬で中々良くならない、一旦は良くなるものの数ヶ月するとまた再燃するといった子は中耳、内耳の領域(鼓膜より奥)に何かしらトラブルをかかえていることがあります。耳の内視鏡(オトスコープ)により、外耳、中耳、鼓膜の状態を確認することができます。

今回紹介する子は11歳2ヶ月の柴犬(女の子)で元々皮膚のトラブルがあります。数ヶ月前から、外耳炎を再発していました。お耳を触られることが嫌いで、自宅での点耳も難しい状態でした。下の写真は初めてオトスコープで見た耳の中の状態です。

耳道が狭くなっており奥が全く見えず鼓膜は破れた状態でした。また、ひどい痛みがあったためか、しっかりと麻酔をかけないと中が見られない状態でした。
ここから、2週間ごとにオトスコープにて耳の洗浄とステロイド剤の注入にて治療を続けたところ、下の写真のように耳道は正常に近いくらいに元通りとなり、耳垢もかさかさしたタイプの耳垢に改善してきました。また、痛みが和らいだのか鎮静という弱い麻酔薬を使用した状態で処置をすることが出来るようになりました。

治療開始1ヶ月後



その後、徐々に間隔を伸ばしましたが、6週目には状態がまた悪くなってしまったため、今は1ヶ月毎に加療をしていますが、治療の間は自宅での洗浄や点耳は全くせず安定した状態が保てています。


見た目耳垢が多く汚れているようにも見えます。確かに耳垢は多いですが、数回耳道洗浄をするだけで、すぐに回収でき、また元通りの耳の状態に戻ります。

イルミネーター(診察室内などで使用する耳鏡)だけで耳の状態を確認するのは限界があることが多いです。もし、外用薬での耳のトラブルが治らない、治ったかと思うと再燃しているというわんちゃん、ねこちゃんがおられましたら一度耳の内視鏡で奥の状態を見てあげて下さい。
この処置および治療には、わんちゃんやねこちゃんに負担をかけずに、痛い思いなどをさせないように、しっかりと耳の奥をきれいに確認するためには、鎮静または全身麻酔などが必要になる場合があります。何かあればご相談下さい。

動物病院 京都
尾関 康江