動物病院事件簿 シリーズ1 2015年10月更新

こんにちは。

動物病院 京都 院長の園田 祐三です。

10月に入り、かなり涼しくなって、朝夜は特に長袖を着ないと風邪を引いてしまいそうなくらい、肌寒いですね。

その寒さからか、下痢嘔吐などの胃腸障害で来院される子が非常に多いです。

ひどい場合には、血液検査などをしてわかることで、膵臓や肝臓などの内臓が、悪くなってしまっていて下痢嘔吐しているということもあります

ブログの内容をどうするかを常に、考えているのですが、シリーズとして、

「わんちゃんねこちゃん事件簿」

「院長園田のしつけ教室」

「動物病院京都での日々」

などを考えています。

今日はその中でも、わんちゃんねこちゃんとの生活の中で、いろいろな確率が重なりあって、こんなことが起きるのかーというようなこと「わんちゃんねこちゃん事件簿」として、つらつらと書いていきたいと思います。

さて、シリーズ第1弾のお話は・・・

「年末骨付きフライドチキン10数本誤食事件簿」

~年末に、うちのこが、みんな(←人間)で食べようと買っていたフライドチキン10本全部まるごとたべちゃったよ~

当院は、年末年始も休まず診察させていただいていることが多いのですが、年末年始は普段別の他府県にいらっしゃる方が、帰省で京都に帰ってきているということも多く、関東や東海地方の飼い主様がわんちゃんねこちゃんを連れてこられることも多いです。

今回のわんちゃんは、ミニチュアダックスさんで、東海地方からの帰省中のお話でした。聞くところによると、ミニチュアダックスさんを家でお留守番させている間に、人間がみんなで食べようと思っていた、骨付きフライドチキン10数本をテーブルの上に置いていたが、帰宅してきたら、袋だけ床に落ちていて、中身が全部無くなっている!!とのことでした。

来院された際には、当のダックスさんは元気いっぱいで、何食わぬ顔。しかし、おなかをさわると、おなかはパンパンで、すごくはっている状態でした。

 

フライドチキンを食べた際に、わんちゃんで問題となるのは、主に食道です。バリバリっと食べた際に、喉にひっかかり血まみれになっているわんちゃんも診察したことがあります。その際は、軽く麻酔または鎮静をかけて急いで、骨を取り除かないと死んでしまうこともあります。

今回は、わんちゃん自身は、血を吐くこともなく、むしろしっぽをふっているくらい元気。ということは、食道にはおそらくつまっていないだろうと考え、まず食道、胃腸含めたレントゲン検査を実施しました。

すると、右のような⇒⇒⇒

胃の中に 多量の骨が!!!!!

こんなに一度に、フライドチキンを骨ごと食べたわんちゃんはいまだかつて診たことがないレベル。

選択肢としては

①麻酔をかけて、胃カメラ、開腹などで1本1本取り出す

②催吐処置をして、吐かせる

③胃腸の保護や胃腸の動きを助け、自力で消化してもらう!!

自分の答えは③でした。

フライドチキンは1,2本くらいであれば、食道を傷つけなければ、まず消化されます。人間が、フライドチキンなど骨ごと仮にバリバリ食べても、腸に刺さらないのと一緒で、体は強く出来ています。しかし今回は、数が半端ではなかったので、入院治療とし、胃腸の動きを助けるための点滴と、胃粘膜保護剤などを治療として加えました。

①や②の選択肢は今回の場合、消化される可能性が高いこと、むしろ取り出そうとするほうが、折れた骨の先端が食道に突き刺さってしまう恐れなどがあることが懸念されました。

結果としては、驚くべきことに、わずか2日間で、すべて溶け、安心して年末年始を飼い主様と過ごすことができました。

下の、左の図が先ほどの写真

そして右が 2日間 胃腸の保護治療をした後の写真です。

わんちゃんは、いろいろな人間のものを誤食します。

それで腸閉塞となり、手術をしなければならないことも多いです。当院での誤食の手術は、月に1件はあります。

ひもや鈴、タオル、ストッキングなどなど。腸閉塞になると手術以外では取り出せず、数は非常に少ないですが、腸にダメージがありすぎて、それがきっかけで亡くなってしまうこともあるくらいです。

今回のフライドチキン事件簿では、幸いそういった外科をしなくてもよかったですが、くれぐれもみなさんは、わんちゃんの誤食を防ぐようわんちゃんの手の届かないように食べ物や人間のものを置く、またしつけとして食べさせないようにするトレーニングを実施するなど努力をしていきましょう。

当院では、行動療法に力を入れており、誤食を防ぐような、口に加えているものを離す「オフ」という号令だったり、落ちているものを拾わないようにさせる訓練方法なども時間を許す限り、お伝えしていくことも多いです。

これからも、わんちゃんねこちゃん事件簿含め、実際にあった出来事などを、お伝えしていければと思っています。

動物病院 京都

院長 園田 祐三